「なんとなくわかる」がいちばん危ない
「塩をひとつまみ入れてください」
こう言われて、
量に迷う人はあまりいないと思います。
なんとなく、これくらいかな。
感覚的にパラッと入れて、はいOK。
でも、
その「ひとつまみ」って、具体的にどのくらいでしょう?
今朝の情報番組で紹介されていたのですが、
「塩ひとつまみ」は
① 親指・人差し指・中指の3本でつまんだ量
② 親指・人差し指の2本でつまんだ量
どちらだと思いますか?
正解は
① 指3本でつまんだ量。
料理が好きな人には当たり前かもしれませんが、
私たちは普段、
「ひとつまみが何gか」なんて考えずに使っています。
それでも、日本語では困らない。
ところが、これを英語にしようとした瞬間、止まります。
「ひとつまみ」って英語でどう言うの?
one pinch …?

なんとなく合っている気もするけれど、
どこかスッキリしない。
この違和感の正体は、
英語力ではなく、日本語の曖昧さです。
日本語は「受け取り手」に判断を任せている
私たちは「量」を言っているつもりでも、
実は
- 動作
- 感覚
- 雰囲気
で伝えていることがほとんどです。
日本語では
「だいたい」「なんとなく」
が通じます。
足りない情報は、
聞き手が勝手に補ってくれる前提で会話が成り立っています。
だから、細かく決めなくても、
描写しなくても問題にならない。
英語は「相手任せ」にしない言語
一方、英語では
話し手が「どう伝わるか」まで決めて表現します。
「ひとつまみ」「少々」も同じで、
- 量なのか
- 回数なのか
- 程度なのか
ここを決めないまま、
日本語の感覚だけを持ち込んで
単語だけ探すと、伝わらない英語になります。
英語表現は「決めた結果」として出てくる
たとえば「ひとつまみ」。
- 量として伝えたいなら
→ 約0.5〜1g - 回数として伝えたいなら
→ 5 sprinkles - 感覚として伝えたいなら
→ a little
表現は自然に分かれます。
英語表現はひとつではありません。
「正解を探す」のではなく、
どれを選ぶかを決めた結果として表現が出てくるだけです。
英語が止まる人は、語彙が足りないわけじゃない
多くの人は
「言いたい単語が出てこない」と思っています。
でも実際は、
日本語の曖昧さを整理しないまま話そうとしている。
だから、英語にするときに止まる。
止まっているのは口ではなく、
思考の段階です。
英語の前に、日本語をほどく
英語コミュニケーションで大事なのは、
- 文法より
- 単語より
何を、どう伝えたいかを決めること。
日本語を少し具体にするだけで、
英語はぐっと組み立てやすくなります。
こうした
「日本語の曖昧さをほどいて、伝わる形にする」
考え方をベースに、
日々レッスンをしています。


